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Column

人事の信条Ⅱ

2016.6.30

前回、書き足らなかったことをこれを機に書ききってしまおう。
人事の信条①~⑩はこちら
(とはいえ、また書き足すかもしれないけど。)

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人事の信条(人事で働くときに大切にしていたこと)Ⅱ

⑪人事領域の全体像を常に意識すること

採用担当でも給与担当でも教育担当でも、人事領域全般についての視野は常に持っていなければならない。教育は評価とつながり、採用は教育とつながり、採用は給与ともつながる。給与は労務(個別労務問題に最初に気づくのはたいがい給与担当だ)につながる。人事の部分最適ほど会社にとって最悪なことはない。自分の仕事が何とつながっているか、常に意識していなければならない。

⑫流行ものに安易に飛びつかないこと

いまでもそうだが、人事には常に新しい最新のキーワードが登場してきた。成果主義・年俸制・ダイバーシティ・コーチング・フォロワーシップ・メンタルヘルス・ダイレクトリクルーティング・・・。それぞれはとても大事なことではあるかもしれないが、全体を語るわけでもない。定着したものもあれば忘れ去られるものもある。会社にダメージを与えたものもある。流行ものに飛びつかず、自社に大事なものは何か、それによって捨てなければならないことを見極めようとしなければならない。そしてその真の意味と他への影響を考える。「コンピテンシー」はそのひとつで、意義を理解していれば意味を持つが、つくり方、使い方を誤解して効果を出さないケースもある(効果がないのは意義を理解していないから。ちょっとやっていてうまくいかないからってその概念を軽視してもいけない)。

⑬「変えるべきもの」と「変えてはならないもの」をしっかりと見極めること

変革変革とみんな言うけれど、変えてはならないものまで変えてしまってはならない。何でも変えればいいというものでもない。理念に関わること、人事のポリシーに関わること、大切にしなければならない企業文化に関わることなど、変えてはいけないものが会社にはある。人事制度を安易に変えて混乱に陥って結局元に戻す、という話もよく聞く。難しいことだけど、本質を見極めようと常に努力しなければならない。「人事は堅い」「人事は変わらない」という批判を浴びたとしても、守るべきところは守らなければならない。その意味で、変えてはならないものの最後の砦は人事かもしれない。

⑭ならぬものはならぬ!とはっきり言う勇気を持つこと

正しいと自ら信じることに対しては、相手が社長でも役員でも管理職でも「ならぬものはならぬのです!」ときっぱり言う。逆にやるべきことであれば、これも断固として「やるんです」と何回でも訴える。理念やポリシー、行動指針に関わることは譲らない。でも同時に「それをほんとうにやる必要があるのか」「必要なものだとしたら、どうしたらそれができるのか」に考えを巡らす。でもやっぱり「それはダメです!」と貫き通すことも人事の仕事でもある。

⑮裏はあっても影はないこと

人事という仕事は、そりゃー裏がある。語っていることがすべて事実とは限らない。言ってはならないこともある。伝えてはならないこともある。墓場まで持っていくことがたくさんある。信じてもらいたいと思う反面、本当のことを伝えられない苦しさがある。でもそれは社員側でもわかっていること。それよりも僕たち人事部門に「影」はあってはならないと思う。「影」とは、文章にするのは難しいのだけど、「相手のためにならないこと」「人を陥れる企み」「自分のための嘘」など、暗い言葉の羅列になるようなそういうものがあってはならない。そうでないと人事担当者自身も持たない。

⑯社員をよく知ること、そのための努力をすること

先日最終回を迎えたTBSドラマ99.9。主人公は容疑者接見の時に毎回「では生い立ちから・・・」という質問を投げかけていた。とても大事なことだ。その人がどこから来てどこへ行くのか、家族を含めた周辺環境はどうなのか、休みの日には何をしているのか、何に問題を抱えているのか。社員すべてを把握することは難しいかもしれないが、接している相手のこれは、ぜひ知ろうとしてほしい。今顕在化している問題のみに焦点を当ててはならない。

⑰自分を知ってもらうこと、開示すること

相手を知るためには、自分を開示しなければならない。コミュニケーションの頻度は高い方がいい。人事部門外の社員と飲みに行くのもいいと思う。もちろん、そういう場でも言っていいことと悪いことは十分わきまえなければならないけど、それさえなければハメも外したっていいと思う。
自分のことを知ってもらおうとしなければ相手は近づいてこない。人事担当者はそういう距離感も大切だと思う。人事だってただの人。特別なことなんて何もないんだから。

⑱されど、人はわからない

人はそれぞれ違うので、結局はわからないもの。自分のことだってよくわからないのに、他者をわかるわけがない。だから「自分はこの人のことを十分にわかっていない」という前提でいなければならない。「わかっている」と思っている時点で「わかっていない」ものだ。だからこそ「わかろうとする努力」を続けなければならない。


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まだあるんだけど、このぐらいにして、これらは僕が人事担当をしているとき、それから今も「こうありたい」と思っている信条。会社は様々で人も様々だから、誰でも「こうあらねばならない」とは思わない。
でも、これを読んで下さった人事関係、あるいはビジネスパーソンの皆さんは、参考にしていただきつつ(これはいい、とか、これはないよね、とか)ご自身の信条はどうなのか、考えてみたいただければ幸いだと思う。

(ブログには写真が大事だと言われたので入れてみたけど、結構面倒なものだね。あんまり意味ないかもね。)
↓この写真は、いつもお世話になっている銀座の料理屋さんからの季節ごとのご案内。鱧!。こっちの方が意味がある。
hamo

 

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