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Column

「ちょっといいですか?」と「お時間のあるときにでも」

2013.12.16

97に再現性はなく、101だった。悔しい。寒かったんだもん、遠かったんだもん、難しかったんだもん。

さて、人事担当者にとっては社員から「ちょっといいですか?」と声をかけられることは名誉なことだ。人事にとって「ご相談事大歓迎!毎度ありがとうございます」といったところか。

それはいいのだが、しかし、「ちょっといいですか?」と声をかける側は、この「ちょっと」をどのくらいのものと考えているんだろうか。

「ちょっといいですか?」が5分ぐらいに留まることは稀であり、大概において1時間とかそれ以上時間をとってしまうことになる。

ちょっとはちょっとではないのだ。

したがって、「ちょっといいですか?」と来た時には、「覚悟」が必要だ。

上司として、メンバーから「ちょっといいですか?」と来た時には、僕は大概、「いやだ」と言う。

しかし、彼らは慣れているので、僕が「いやだ」と言ったところで大概構わず話かけてくる。「いやだと言っているだろう」「いいじゃないですか」というノリだ。ほんとにほんとに切羽詰まっているときは、「何時頃でもいい?」と変更のお願いをするわけだが、おいおいなんでこっちから「お願い」しなきゃならんのだ?と思いつつ、しかたがない。

それに、「ちょっといいですか?」と来て、それを後回しにする時には「なんだったのか?」と気になるじゃないか。だから「ちょっといいですか?」はいずれにしても、ぜんぜん「ちょっと」じゃないんだ。
だから、「結構重たいですけどいいですか?」「やや軽いんですけどいいですか?」と、「ちょっと」という曖昧でかつ軽快な言葉で来ないでほしいところである。

これに加えて、「お時間のあるときにでも」とか「お手すきのときに」というのもある。

これはもっとやっかいで、「どういったお時間のあるときなんだ?」「いつが”お手すき”なんだ?」というところで困る。

これらの言葉は、こちらの忙しさを勘案してくださるありがたい言葉だとは思うのだが、そもそも「時間はない」し「手はすかない」。

頼まれごとが困るのではない。できるだけ喜んでお引き受けしたい。
問題はこれらの形容詞とうか接頭語というか、そういうもののことだ。
「頼むからやってくれ」「ぜひやってくれ」「よければやってくれ(これはちょっと困るが断ることは容易にできる)」と言われればやるかやらないか即答するが、「お時間のあるときに」「お手すきのときに」というのは、極めて断りにくいのだ。

お時間のある時にはお時間のあるときにするべきことがある。お手すきのときにはお手すきのときにすることがある。

仕事ではない時は、仕事でないことをする時間である。遊びの時間は遊んでいる時間である。ゴルフの時はゴルフをする時間である。そもそもクラブを握っているので手はすかない。

仕事であれば、なんとしてでも「時間は作る」し「手はあける」が、こういった依頼は、だいたい仕事ではない。

?仕事(いまやらなければならないこと)
?事業(緊急ではないが将来に向かって時間をつくらなければならない大切なこと)
?業務(価値を生まないがやらなければならないこと)
?雑務(本来自分でやるべきでないがやらざるを得ないこと)
?スケジュールに入れている「仕事以外」のことをするとき。飲んでいる時。
?新幹線でくたばっている時
?スケジュールが空いている時で自分がしたい、すべきと思うことをするとき。
?疲れていてテレビを見るなどしている時。ドラマなどはリアルタイムで全く見ていない。
?まったくするべきことがなく「暇だなあ」と思っている時。

以上のカテゴリーからすると、「お時間のある時」「お手がすいている時」というのは、??より優先するか?の時でしかあり得ない。そして?という時間は実際ほとんど取れない。

なのに、「お時間のある時に」と言われて、「ありません」とも言えず(申しわけないし、言うだけで負担である)、「お手すきの時に」と言われて「お手はすいてません」とも言えず、結局のところ、そういうやりとりこそが、さらに負荷を生むので、どうにか時間は作るわけだ。またこういう依頼には期限がない。期限がないが、無反応でいるとそれはそれで問題になる。とにかくやっかいなことなのだ。

時間は誰にでも限られていて、死へのカウントダウンは刻々となされているわけだから、依頼をするときにはもっとよく吟味していきたいものだと思う。

ぼーっとする時間はぼーっとする時間として、とても大切なものですからね。
今日は形容詞(?)のお話でした。
(・・・なんてことを書いている時こそ「時間があって」「手がすいている」時だというご意見もあろうが、ここはここで、読者がいらっしゃるのである!)

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