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Column

「プロの人事力」

2019.4.9

あったかかったり寒かったり、よくわからない気候ですね。
楽しみにしていた関西でのゴルフが、悪天候で延期になってしまいました。
残念!

さて、3月に刊行させていただいた「プロの人事力」という本。

出版いただいた「労務行政」さんにはたいへんご厚意をいただきました。

この本を企画させていただいた背景にあるものをお伝えしたいと思います。

僕は幸いにも、新卒で人事部門に配属になり(希望していたのと違った・・・)、その後に採用関係の仕事をし、キャリアに悩んで転職してそこで改めて人事の仕事に向き合うことができ、そこには師匠がいて、いろいろな知見や人事としてのものの見方を教えていただき、さまざまな経験をさせてもらって、それから「人事」に絞ってキャリアを作ってきました。

いま、多くの企業様から、「人事担当者が欲しい」というお話を伺います。

でも、残念ながら、「人事全般」ができる人が少ないのが現実です。

人事全般ができるということは、採用・異動配置・労務・制度企画・制度運用、教育の領域全体を俯瞰してみて、適切かつタイムリーに施策を打つ、ということです。

そこには、理念やビジョンを共有したうえでの経営者とのコミュニケーション、役員とのコミュニケーション、根回し、職制(管理職)や社員とのコミュニケーション・ネゴシエーション能力も欠かせません。

はっきり言って、これができる人は極めて少ないのが現実です。
部分的に優れている人はたくさんいます。でも全体が見える人は稀なのです。

その理由は、90年代後半からの「人事部不要論」以降、「人事のプロ」を企業が育てなくなってきたからだと僕は思っています。また、「人事のプロ」というものについての認識が、「労働法規に詳しい人」であったり、「採用に長けている人」であったり、部分はできるけど、ほんとに全体として人事を差配できる人事のプロとはどのような人なのかという「人材像」が不明確であり、会社の中の誰も「どんな人なら人事ができるのか」がわからなくなってしまっています。

ですので、人事担当者、あるいは責任者(人事部長)の外部採用は、成功確率が極めて低くなっています。

要するに、「人事のプロ」を企業が育てなくなってしまった。
だから外から採用しようと思っても、「いない」ということなのです。
(外資は、「HRパートナー」という人事専門職を育てている会社が多くあります。日本の過度のゼネラリスト志向が、今日の状況を作っているのかもしれません。とはいえHRパートナーを単純に自社に招いても、うまくいく保証はありません。理由ははっきりしています・・・。)

一方で、以前書きましたが、「労働力不足」「少子高齢化」「働き方改革」「低成長」「AI・RPA」など、企業を取り巻く環境は大きく変わっており、かつ人事的には厳しい状況になってきています。従来の「いい人を採用すればそれでよし」ではなくなっているのです。

「人」を採用するのか、その「人」は「正社員」でなければならないのか、「フルタイム」でなければならないのか、「雇用契約」でなければならないのか、AIで代替できないのか、RPAは活用できないのか、そのためにビジネスモデルをどうしていくべきなのか、などを考え、手を打たなければならないことは山積しています。「年功序列」「定期昇給」「新卒一括採用」といった日本型雇用慣行はどう考えても続けられないことは明らかなのに(高度成長期の雇用慣行をなぜまだ続けているのか、時代と完全にアンマッチであるのにも関わらず、まだベアとか定期昇給率などが議論されていること自体、甚だ時代錯誤です)、抜本的な手を打てていない。そうこうするうちに、外資系に会社ごと買われていく現実があります。

これらは「人事」だけで考えられることではもちろんないですが、「人事」がこれらに真剣に向き合えなければ、企業の競争力も、そこで働く人のキャリアプランも拓けてきません。

必要なのに育っていない、この矛盾に対して、今こそ、「プロの人事担当者」を改めて育てなければいけないと強く思います。

でも、企業内に経験者がいない、学べる師匠がいない現実に、「おまえ人事やれ」と言ったって、できるものではありません。

だから「プロの人事力」なんです。

もちろんこの本を読んだからって、すぐに人事ができるようになるわけではありません。

しかし、何を学べばよいのかはわかります。

僕が、できる人事担当とそうでない人を見てきて、気がついたこと、師匠と当時の僕を比較して気づいたこと、人事の学校を10年続けてきて見えてきたものを総合してまとめて書いています。

労働法規から掘り下げて、つまらなくなって投げ出してしまう、そういう人をたくさん見てきましたが、それは学び方が悪いんです。

ぜひ、人事担当者を育てたい経営者の皆様、人事を任せれてしまった責任者、担当者の皆さん、(少々値ははりますが)手に取っていただければなあと願っております。

長くなってしまいました。すいません。この話題、ここんとこ僕を熱くします。
この想いで、労務行政さんに無理を承知でお願いして本にしてもらったんです。
ありがとうございます・・・。

さ、頭冷やすのに仕事しようかね。

西尾 太

 

 

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