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Column

「年収基準」と「評価基準」

2021.3.3

今日(3月3日)「年収基準」の広告を、
日経新聞の3面に再び、載せていただきました。

おかげさまで、アマゾンの順位を上がっているようで、
改めて、広告効果はすごいな、と思っています。

さて、その「年収基準」ですが、
アマゾンの書評もいただいており、ありがたいと思っています。

書評に関しましては、これまでの本につきましても、
いろいろなご意見があることをありがたく承っており、
それに関してコメントすることはほぼこれまでもなかったのですが、

僕のファンと言ってくださる方(ほんとうにありがとうございます)から、
『「人事ポリシー」と「評価基準」のエッセンスに多少の追加してあるだけ』とコメントをいただきました。

確かに話の流れから、重複していることもあることはその通りなのですが、

「評価基準」から「年収基準」に至った際に、
僕の中では、非常に大きな変化というか変革というか、新たな考え方に踏み込んでおり、それだけお伝えしたいな、と思っている次第です。

といいながら、書くと長くなっちゃうんですけど、
(ここからは「人事的要素」で専門的なものも入るので、色を付けておきますからなんでしたら読み飛ばしてください)
「評価基準」のコンピテンシーについては、コンピテンシー発揮の「レベル感」は示していません。
というより、コンピテンシーの「レベル」によって、例えば等級制度の要件設定をしてしまうと、解釈・運用が非常に難しくなってしまうため、僕は人事制度構築の際に、それは行いません。

「情報収集」の上位コンピテンシーは「問題分析」であり、
「情報収集」の要素を含みながら、「問題分析」は集めた情報を適切に分析することを求めます。まあ、別物です。

そうすれば、「2等級と3等級の違いは何ですか?」という問いに明確に答えられます。

しかし、「年収基準」における「ジョブサイズ」については、
28あるジョブサイズ項目それぞれについて、「レベル」を示しています。

「評価基準」のコンピテンシーはある種普遍性と汎用性を意識して作っており、「毎年求めることが変わることはない」と考えていますが、

これを「ジョブサイズ」という指標に用いるとすると、
組織やミッションによって、毎年変わることも想定しなければならない。
同じジョブサイズ項目でも、レベルで示さないと運用に資さないのではないか、と考え、コンピテンシーとは関連しつつも、「別物」として開発しています。

人事制度を考える時に、

これまでは
「等級制度をコンピテンシーで設定」
「そのコンピテンシーに発揮度合いを評価」
することを前提としているのが、「評価基準」の考え方です。
これに加えて「成果」も評価し、「成果」と「行動(コンピテンシー)」で評価し、賞与や基本給につなげるということを基本にしてきました。

しかし、「年収基準」に至っては、

コンピテンシーは、ジョブサイズの影響力を発揮するための育成指標として一歩引かせ、

「ジョブサイズとその発揮度合い」プラス「成果」で、評価し、
その人の給与や賞与を決めていくという考え方になります。

うーん、違いがわかりにくいですかね。
すいません、文章にすると長くなってしまう。

いずれにしても、「ジョブサイズ」という新しい指標を、
「ジョブ型」も見据えながら新たに開発して、それを「年収基準」に示したということです。

なので、「評価基準」と「年収基準」はこの点において、大きく違うのです。

これらはもちろん「やり方」の話なんですが、
人事制度は、いや人事は、その前提の「考え方」が極めて大事ですので、
どのような考え方を持って、「コンピテンシー」なのか「ジョブサイズ」なのかを、検討・検証していただきたいなと思っています。

西尾 太

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