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Column

ほめると叱る

2009.6.5

よく、「叱るときは別室に呼ぶなり人のいないところで個別に」「ほめるときはみんなの前で」ということが言われている。まあ多くの場合その方がいいのかもしれないけど、ケースバイケースだよなあと思う。

僕も上司からよく叱られたが、時代が違うのか、こっそり叱られた記憶はあまりない。話が長くなるときは確かに別室で個別に諭されたりしたことはあるが、だいたいは衆人の前で怒鳴られるなりなんなり、叱られた。

また、若いころにいた職場は、大部屋のオフィスで、遠くの方から怒鳴り声が聞こえたり、モノが飛んでいる音が聞こえたりもしたもので、それはそれで活気というかなんというか、それがいいとも思わないけど、「人が叱られているところを見る」というのも勉強になるものだ。なぜ叱られているのか、が問題だけど、そういうことで学ぶことっていっぱいあると思う。どんな時に叱られるのか、を多くの人に認識してもらえる機会だし。

研修とかでお話しするけど、叱るときには、「あるべき姿」が必要だと思う。叱る相手の志向を知っていて、目標を知っていて、あるいはルールについても共通認識があって、それなのにそこに向かってちゃんとやろうとしないという、あるべき姿と現状のGAPについて指摘するわけで、それがもう期待してんのにその通りにやってない場合などは、叱る側にも感情が入って、言い方がきつくなったり怒鳴ったり、ということになる。「怒っちゃいけない」というけれど、上司だって人間だし、そこに「おまえはほんとはそんなもんじゃないだろ!」っていう期待値があったりすると、そりゃ冷静に・・とか言われたって・・・・。それから叱ったり指摘するときはタイムリーに、その事案が新鮮なうちにやらなきゃ効果も迫力も半減する。「なんでいまさらそんなこと言われんの?」って思われたら意味ないし。

けっこう逆もあると思う。「みんなの前で叱って、あとで個別にほめる」とか。ほめなくても、「期待してるから叱ったんだ」みたいなフォローがあるとそれぞれに意味が出てくると思う。よく叱ってくれた上司は、夜になると「西尾ー、飲みに行くか?」と言ってくれたし、叱った内容についてはあまり触れなくても、気にかけてくださっていることはよくわかったし、それでモチベーションがまた上がったりもした。

もちろん叱る相手にもよるだろう。でも、叱るってことはやっぱり人間関係がある程度構築されているからできることで、そういうものを作っておいて、あとは然るべきタイミングで「こら、おまえ!」ってやったらいいと思う。
人が叱られている姿を周囲が見せるのも、大切だと思う。その覚悟で上司は叱ればいい。

繰り返すけど、そのためには、彼・彼女が何を目指してどうなっていきたいのか、についてある程度把握しとかないといけない。あるいは上司の方が、「おまえにはこういうふうになって欲しいんだよなあ」ということを伝えておいて、一定の同意を得ておくことも必要だろう。

上司のみなさん、堂々と叱ろうよ。で、しっかりフォローはしましょう。

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