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Column

労働時間の問題

2010.6.21

どこの会社でも、また特にベンチャーにとっての労働時間の問題は深刻だ。この手のご相談が多い。

深刻というのは、僕が思うに、経営だって社員だって目いっぱい働きたい、特に労働時間なんて気にしていない、というときにも杓子定規に法律や協定手続きを当てはめようとする人がいることだ。

基本的に労働時間の問題を考えるときに、「会社や経営者が、安い賃金で長い時間人をこき使って、(経営者が)利益を得ようとしているに違いない」という前提に立っていることが多いように思う。

労働はつらくて厳しいもの、って前提だと思う。

じゃあ「好きな仕事を夢中になってやっている」という場合はどうなんだ?

だいたい、「その仕事が大好き」という人が集まっている業界というのは総じて給与が安く労働時間は長い。でもそこには社員たちが「好きだからやっている」という事実がそこにあると思う。
それからベンチャー、中小企業の経営者さんたちがみんな「労働者から搾取しよう」などと思っているわけもない。
きっとほとんどの人たちが、「いい仕事」をしたいだけだ。

8時間働いて、そこそこのお給料で、残りの8時間は仕事に関係のないことで過ごす、というのもありだと思う。
でも働く時間が有意義に感じられたら、もっと幸せだろう。

社会や会社が整えるべきは、単純に労働時間を減らすとか、残業手当をつけるとか(それで会社が成り立ってつぶれなければいいですよ)、そういうことだけじゃなくて、「夢中になって仕事ができる環境」を作ることが大切なんじゃなかろうか。

やりたい仕事を申告させて異動させるとか(自己申告制度とか)、裁量権を増やしていくとか、なんだったら面倒な「雇用」という枠をはずしてしまうとか(悪用しないことが前提)、そういうことを考えていく方が、本人も活性化して会社の業績も伸びるんじゃないかと思う。

労働基準法も36協定もいいけど、それよりもそろそろ本当にやりがいのある仕事、前向きな仕事はどうしたらもっと作れるのかを考えたほうが日本にとってもいいんじゃなかろうか。どうも法律もなにも、そのへんを置き去りにしているような気がするんだよね。

とはいえ、今日の新聞にも新入社員が「定年まで働きたい」「思ったより残業が多かった」「自分の時間を大切にしたい」という傾向が強くなっているそうだから、安定さえしていれば、あとはできるだけ働きたくないんだなあ、と思ってしまうのもあるね。

難しいですよ。ほんとうに好きな仕事をやっているのか。好きな仕事ならどれだけ働いてもいいのか・・いろいろ問題はありますよ。わかってますよ。それに企業はリスクヘッジもしなきゃいけないですしね。

若いころどれだけ働いたか、が30代、40代になったときの差に表れるというのは本当だと思う。それは質もあるけど、量もとても大切だ。今お付き合いさせていただいているそれぞれの分野で活躍されている人たちは、やっぱり若いころ働いてるもんね。「若いころの苦労は買ってでもしろ」っていうのはあながち間違いじゃないと思う。

若い人たちのそういう機会を奪わないようにできないものかと本当に思う。

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