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Column

最後の転職って・・・

2009.5.19

(今回は、です・ます調)
採用を行っていたころ、よく応募者の方からお聞きしていたのが、

「最後の転職にしたいと思います」
「骨を埋める覚悟です」

という言葉でした。
上場しているとはいえ、まだ歴史も浅く、成長期にある会社にいましたので、これらの言葉については違和感を覚えていました。

例えば30歳で転職するとして、その会社に骨を埋めるということは、あと30年から35年そこで働くということですね。

それは現実的に難しいのではないかと思います。
人の寿命より、会社の寿命の方が短いと言われる昨今。
会社は変わります。成長企業は1年・2年という期間においても大きな変化があります。
組織・人事をはじめ、事業ドメインも変わります。

ということは、求める人物像も変わるということです。今、成果を上げるための能力が、来年は使い物にならなくなるかもしれないのです。

実際、創業期・成長期・安定期・変革期という企業の成長ステージによって、必要なスキルセットも志向も変わっていきます。

その会社の変化に合わせて、自らが変わるか、会社を変えるか、が求められます。

たぶん、これから大企業においてもそうじゃないかと思います。

そういった中で、「最後の転職にしたい」「骨を埋める」という言葉は、一昔前だったら経営者や人事担当の心を捉える効果があったかもしれませんが、今は違うと思います。

30年という期間を、その会社でどのように働くのか、どのようなポジションで何を行うのか、プランが作れるでしょうか。おそらく難しいと思います。
逆に、会社に入れば、「組織が仕事を決めてくれる」という思いがあるのではないでしょうか。

これらの言葉は、一方で「ジョブホッパーではない!」ということをアピールする言葉だと思うのですが、ジョブホッパーと骨を埋める、は相反するものではないようです。

どうも、成長企業に入社されて活躍される人は、3年から5年の明確なキャリアビジョンがあり、そのビジョン実現のために、その会社に入ろうという方々のようです。で、3年?5年で成果をあげて、次の3年から5年をどうするか、をその時点までにまた新たなビジョンを作っていきます。結果的に、「次の3年もこの会社でこういうことを実現しよう!」というビジョンができた場合は残るでしょうし、会社のステージが変わったりすれば、自分の能力発揮の場ではないとすれば、自ら身を引きます。

結果的にそういう方の方が、その会社で長く働きますし、期間はともかくとして成果を出されます。

10年後の社会や会社の姿は読めません。でも3年から5年は自ら描くべきだと思います。過度に組織に依存せずに、組織に決めてもらおうとせずに、自分のキャリアについて常にアンテナを張りめぐらせて、目標を作っていくことが、今、またこれから求められているように思います。

会社とともに成長し、自らも変化し、結果的に長く働くことを否定しているわけではありません。でもそれは結果であって、目的ではない、ということですね。

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