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Column

人事評価の評点

2009.10.19

前回、評価の標語について書いたが、今回は評点について考えてみる。

評価においての標語はSS・S・A・B・Cなどで、目標達成や標準評価を「よくできました?」ということで「A」とした方がよいと思うと書いたが、評点とした場合、多くの場合は、「5・4・3・2・1」であろう。
この場合、標語における「A」は「3」になるのであろう。

まず、この「3」というのがいただけない。

通信簿を思い浮かべて欲しい。(いまどきの通信簿は、5・4・3・2・1などは使わないだろうけど)

3というのは、あまりよろしくない評価と言えよう。及第点は5か4だろう。「オール5」ってのはめったにないだろうけど、優秀さを示す言葉だ。オール3てのはあまり良い感じがしない。ましてや、「あひる(2)」「みみ(3)」「あひる」「みみ」っていう通信簿であれば、「もっとがんばりましょう」ということになる。

人事評価においてはこのイメージはとても大切だ。

さらに、たとえ9点制、10点制にしたとして、5が標準としたとしても、次に問題がある。

重みづけ(ウエイト)などを掛け合わせて、3×40%、2×30%、4×20%・・・などとして、総合的な評価が3.25などと示されることになり、それが総合評価だとする場合が多いだろう。

ではこの3.25っていったいなんなんだろう。3.25と3.22の人がいて、この0.03の違いは何なのか。

人事評価を数値化する意味ってなんなんだろう。

仮に相対化をしなければいけない場合に、この数値は参考になるのかもしれないけど、この0.03の違いが何を表すのか説明しづらいんじゃないだろうか。

そもそも人事評価って、数値目標のみならともかくとして、行動評価などのプロセス評価もあるだろうから、そういう定性的な評価はアナログなわけである。人が人を評価するということは、とかくアナログであり、ウエイトだって難易度だってそもそもアナログなのである。アナログ×アナログは、どうやったってアナログなわけで、アナログを点数化したところで、やっぱりアナログなんだ。

だから、この3.23とかの数字は、元をただせば根拠は薄いわけである。

人事評価は、どこが優れていて、どこが要努力なのかを示し、成長を促すために行うものであるのだから、どのような評価を下し、どのようにフィードバックをするか、を管理職は悩まなくてはならない。悩むのが評価者の仕事と言ってもいい。それを安易に点数にして掛けたり足したり割ったり引いたりして、評価を下したように錯覚してしまう仕組みはいかがなものかと思うのだ。

ということで、まあ点数でも標語でもいいけど、変に掛けたり割ったりしないで人事評価をしていただきたいと思うのである。だから、そうしたくなっちゃう点数制はあまりお勧めしない、ということです。

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