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Column

360°評価論

2011.1.13

人事関係のことも書かないと・・・。

昨今、360°評価(多面評価)についてのお問い合わせやご相談をいただくことが多いので、前にも書いたかもしれないけど、あらためて考えてみる。

360°評価を考えるときの想いとしては、

「上司だけから評価されることについて、それは公正なのか」
「部下が上司を評価してもいいんじゃないか」
「通常の人事評価だけでは見えないものを見たい」
「気づきを与えたい」
「研修を効果的に行うツールにしたい」

などがあろうかと思われる。

360°評価はたしかに有意義なものだけど、経営者の方、人事の方、次の点についてはぜひ留意いただきたいと思う。

●必ずしも公正ではない。
⇒管理職の評価基準を揃えるだけでもみんな苦労しているのに、評価者が360°(ほとんど全社員?)に広がることで、評価基準・評価の甘辛はかなりばらつく。

●期待値の高低により評価が変わる。
⇒被評価者に対する期待値が高いと、評価は厳しくなり、期待値が低いと「まあそんなもんでいいんじゃない?」ということになって評価が甘くなる場合がある。

●人気投票である。
⇒ノーマティブ形式(1問1答方式)の場合、人気が高い人が高くなる。(これを防ぐものがイプサティブ形式(強制選択方式⇒イプサティブ形式の360°評価は、日本エス・エイチ・エルさんの「無尽蔵(いつも思うけどすごいネーミングだよなあ)」がいいと思います。)だが、この場合被評価者のインパクトは格段に低くなる)・・・
  人望を見るのにはいいかもしれないが、期待値と同様に、「厳しい上司」は低くなり、「甘い上司は高くなる」危険がある。
  甘い上司が必ずしも「いい上司」とは限らない。

●被評価者の上司こそ、「評価される」
  360°評価は、被評価者が注目されがちだが、それと同様かそれ以上に、「被評価者の上司」がどう評価しているか、が大切なキーとなる。
  被評価者の上司が、甘くつけていて、被評価者の部下が辛い場合やその逆など、「上司が本人のことを見えていない」ということが浮き彫りになる。
  だから、フィードバック研修などを行う場合は、本人だけでなく、その上司の「評価する目」についても研修の対象にすべきだ。
  本人の「上司」と「部下や同僚」の評価にギャップがある原因は、実は「上司にある」場合も多いのだ。

●人事評価には直接使わないほうがいい
⇒上記などの理由で、人事評価(給与を決めるもの)には直接反映させないほうがよい。あくまで育成目的にとどめさせる。これは人事担当者の責任だ。
 また任免の参考にされる場合があるが、それも出たデータだけではなくて、背景までしっかり把握しておかないと、組織が危険にさらされる。

●フォローはしっかりする。
⇒やりっぱなしはだめだ。必ずフィードバック研修などを用意すること。でなければ被評価者も、評価者も浮かばれない。(人事担当者も)

※そして何より、「手間がかかる」
過去になんども360°評価を実施したけど、とにかく実務がたいへんだ。評価者の選定が特にたいへんだ。部下がひとりもいない「内部監査室長」とか、だれを評価者に選ぶんだ?
被評価者が評価者を選定するという方法もあるけど、それも果たしてどうなのか?
「同僚」選びなんかでも、「あんまりよく知らないんだけど」なんてこともある。
それから、上司(本部長さんとか)はたくさんの人を評価しなければならなくなる。
そして、評価者は、(被評価者の数)×(5?6)倍の数になるわけで、へたすれば「全社員が評価者状態」だ。

360°評価は人事担当者泣かせである。
経営者の皆様は、「ものすごーく手間がかかり」その割に、公正とは言えない要素が多い、ということをご了解の上でご検討いただければと思う。

でも、研修の前に実施するのは、確かに効果的。
でも、それなら、本人が本人のことを答える適性検査でも代替できる。

それに適しているのが「B-CAV Test」です。ご検討を。

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