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Column

サザエさんが・・・

2011.11.28

前回の続き・・・・。前回は会社に歯車になんかなかなかなれない、というようなことを書いたが、今回は、就業観について。

僕の父は田舎からひとりで東京に出てきて、小さな木材会社に25年ぐらい勤めたあと独立して同じく木材卸業をしていた。僕の親戚も小さな会社に勤めているか、経営しているか、大阪の方では飲食業を営む叔父さんもいたが、大きな会社のサラリーマンという人は周囲には皆無な環境で育った。
父は小さな会社に勤めていたからかどうかわからないが、基本的に夜遅くまで残業しているという感じではなく、夕食時には家にいることが多かった。独立後もそうだ。
そして僕の両親はどちらかというと、中小企業や独立して会社をやっていく苦労をしているから、僕には安定した大きな会社に勤めて欲しがった。「ボーナスが何か月ももらえるなんて、大企業しかないのよ」という話はよく聞かされたものだ。

で、僕はそのへんの就業観ぐらいしか持たずに、ふらふらと最初の就職をしてしまったわけだが、そのころから僕が想像していた会社に勤めるサラリーマンって、サザエさんちであり、それは確固たるものだった。

そして今でも高視聴率を続けるあの番組は、多くの日本人に強烈な就業観を与えているのではないかと思う。

波平さんとマスオさんが勤める「海山商事」は超安定企業のようだ。海山商事の業績に関する話は一切でてこないし、家庭で会社のことが語られることは皆無だから、どうやら仕事に関する不安は持っていないと思われる。また、波平さんもマスオさんも、まず残業はしていない。夕食を家族とともにしているのだからそうだと思う。たまに飲んで帰ってきてサザエさんに叱られるだけだ。とはいえ現業職とは思えない。きっと総合職(ホワイトカラー)だろう。たまに出てくるオフィス風景も、若干の折れ線グラフが背景に見えるだけで、数字を追って必死になっているようにも思えない。
そして仕事に関する話は一切家庭内で行わない。「OnとOffをきっちり切り分けている」「ワークライフバランスを実現している」という点ではすばらしいことだが、仕事で悩んでいる感じはやっぱり見受けられない。

そしてサザエさんはオープニングテーマではいつもあちこち国内旅行をしているようなので、生活はやっぱりそれなりに豊かだ。

というわけで、サザエさんを子供のころからずっと見てきた僕には、サラリーマンって、「朝出かけて会社でそれなりに過ごして、定時に退社して家に戻ってくるものだ」という概念が強烈に植えつけられたものと思われる。

そんな感覚で会社選びをして、その後自分の世間知らずに戸惑いながら転職したりするわけだ。どう考えたって、海山商事といすゞ自動車がそんなに違うカテゴリーとは思わないわけで、入社してから、その感覚の違い、現実を思い知るのだ。仮に土日を休んだとしても、アタマの中は仕事のことから完全に離れることはない。それは社会人になって以来二十数年間続いている。
波平さんやマスオさんが幸せかどうかはわからないが、「現実は違う」ということはしっかりと認識しなければならない。絶対違う。

そういえばちびまる子ちゃんのお父さんのヒロシも、仕事をしている姿は皆無だ。

先日NPO法人JUKEの方々とお会いし、学生に対するキャリア教育を変革したいという想いを共有させていただいたが、幼少の頃から圧倒的な影響力を持つ日曜日午後6時台のテレビには、仕事観の醸成という点では注意したほうがいいと思う。
(でも、両番組ともとっても平和でいいけどね。そういう点では僕は好きです。)

裏番組で「夢の扉」をやっているところがなんとも興味深いけどね。

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