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Column

専業禁止

2012.9.28

自宅のトイレの照明のスイッチが壊れ、災害用懐中電灯を頼りに用を足さなければならない状況にある。
実は、去年まで自宅のマンションの管理組合の理事長をお引き受けし、管理会社からの提案があって、こういう時に、月額一戸あたり何百円かでなんでもすぐに修理していくれるサービスを組合として申し込むことになった。

管理組合としてそのサービスに申し込むことになった立役者は理事長たる僕なのだ。そして、このトイレスイッチ故障という、「まさにそのサービスを利用するにはもってこいの状況」になり、窓口に電話をしたところ、
「そちらのマンションのサービス開始は10月1日からですので、10月に対応いたします」ということで、災害用懐中電灯(レバーをぐるぐる回して電気を起こすタイプ)の活躍はあと数日続くことになった。

・・・って、僕らのような零細企業ならば、例え契約が10月からでも、「あ、来月からですけど、お困りでしょうから対応しますね」というのが当たり前なはずである。

新規のお客様に対して、10月1日からだから10月1日まで懐中電灯でしのげ、というのはあまりに杓子定規な対応ではないか。100歩譲って、「10月からなら2000円ですが、9月ならば4000円ですがいかがでしょう」という提案があってもしかるべきではないか。懐中電灯より差額の2000円の方がマシだと考える顧客がいるかもしれないではないか。

こういうところに、「そもそも何のためにそのサービスは存在するのか」 というところの思考停止に陥っていないか、「自社の手続き」「ルール」を顧客よりも優先する、という本来いかがなものかの道理がまかり通っていないか。

「ちゃんとした会社」ってよくいうけど、こういうのが「ちゃんとした会社」なのだろうか。とにかくとても残念な思いだ。

・・・と前置きが長くなったが、水曜日は、人事プロデューサークラブの事例研究会で、株式会社オールアバウトエンファクトリー様による「専業禁止による自立人材育成」について代表取締役社長の加藤様に、発表をいただいた。
加藤社長 ありがとうございました。

専業禁止、実際にはどのようにされているのか、について詳しくお話しいただいたが、要は社員が、自社の仕事以外のところで自立して仕事をすることを推奨されている、ということだ。

そのことで、かえって自社内の仕事は効率よく進められて、残業は減っている、とのことだし、他の仕事をすることも含めて、「すべてをオープンに」することによって、より信頼度と仕事への向き合い方が高まっている、というお話だった。

とてもすばらしい取り組みだと思う。逆にこれからは「そうじゃなくちゃいけない」と思う。

もし僕が前職で「兼業OK」と言われたら、会社を辞めなかったかもしれない。それからもしそれで年収が下がったとしても僕は受け入れたと思う。決してそれぞれの仕事の手を抜かずに、パフォーマンスを発揮する方法があると思う。

それから何よりも、会社は「いつでも辞めることができる人が、でもここが面白いから、と言って集まっていること」が「よい状態」だと思う。

「どこにも行けない人が、辞められずに留まっている」という状態は、会社として健全ではないと思う。

それだけに、雇用をするということは、逆に「いつでも辞められる、あるいは、雇用という枠を超えてつながることを可能とする」状態に社員を成長させる、ということではないかとも思う。

「他社にいけない、辞められない、独立できない」人を作ってはならない、と思う。人を雇い入れるときに、そのことだけは、採用側は責任をもって意識していただきたいと思う。

そういうわけで、(わけでもないけど)、来月から当社に新しいメンバーを迎える(はずです)。一人前にしてやらにゃ、と責任を感じている半期末でした。

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