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Column

就活とか正社員とか雇用とか

2013.1.30

あっという間に1月も終わってしまう。ノロとかインフルエンザとかでアポイントが立て続けに変更になったりしているが、皆様健康には十分ご注意いただきたい。僕?インフルエンザの予防接種しましたよ。1月4日に。

さて、昨今就活中の学生さんに、当社に出入りしてもいいよ、ということにして、相談とまでは言わないけど、少しでも当社のメンバーなどが応援していく試みをしている。特にここをビジネスベースにするかどうかはこれからだけど、僕自身として、就活というものについて大いに疑問を持っているという中で、それでも毎年行われる「日本全国就活集団お見合いパーティ」は熱を帯びて実行されており、その渦中にいる学生や人事担当者のみなさんがいるわけで、人事と言う世界に関わっているものとして、「ちょっと巻き込まれてみましょうか」と思っている今日この頃である。

なぜ大いに疑問を持っているかということについて、まだ僕の中でもやもやしているものはあるんだけど、
・終身雇用制がほぼ崩壊している中で、大卒一括採用というものにどれほどの意味合いがあるのか。
・なぜ新卒なのか
・なぜ一括なのか
というものについて、本質をほんとうに考えた上で、このお見合いパーティは開かれているのかどうかが疑問なのである。

採用のご担当者に、「なぜ新卒採用をするの?」と聞くと、あまり明確な答えが戻ってこないことも多い。
よく聞くのが、
?「中途より勤続が長い(ほんとうかなあ)」
?「新卒はまっさらで会社になじみやすい(そうかもしれないけど、それでいいのかなあ)」
?「将来の幹部候補になりやすい(中途はならないのかなあ)」
?「一括採用なので、採用活動や教育が効率的に行える(それはそうかもしれない)」

というぐらいであり、あまり「だから新卒なんだ」という強くて明確なものが見えてきていない気がする。

採用担当のみなさま、「なぜなぜなぜなぜなぜ」(トヨタ式のなぜなぜ5回方式)と問い直していただきたい。
(たしかに、新卒についての教育は中途採用に比べて期間も内容も充実させるのが一般的であり、だからこそ、会社の理念や文化を浸透させやすく、だから定着率が高くなる、のではないか、という論理的な推測は成り立つ。けど、単に「新卒はほかの会社を知らないから、染められやすく、だから定着する」というだけでは、とても弱いと思う)

僕が新卒採用活動をしている時のこれについて自分なりに明確にしていたことは、
「会社の将来のコア社員をつくりたい」
「コア社員をつくるためには、会社全体という視点を形成するために、社内の複数の部署を経験し、かつ、オペレーションを理解し、マネジメントができ、一定領域でのスペシャリティを身につけさせる必要がある」
「これらの経験を積ませるためには、長い育成期間が必要であり、投資回収を考えない一定期間が必要。だから年収がもっとも低く、かつポテンシャルの高い人材である必要がある」
「ベンチャーであれば、時間はそう余裕はなく、数年でコアになってもらう必要がある」

ということでぶっちゃけて言えば、ポテンシャルがあってもっとも安い年収と言えば「新卒」ということに答えはなる、ということであった。

一方、22歳で就職して定年(おそらく65歳かそれ以上)まで43年以上あるわけで、そんな先のことまで考えて採用はできないんじゃないかと思っていたのが正直なところだ。だから学生さんにも、「申し訳ないけど、40年以上はわからない、でもみなさんが30歳ぐらいまでの間について、みなさんが育つ環境は当社にはある」というある種の確信があって、それを伝えていた。

一方学生さんに聞くと
「正社員になれば安定する(いつまで?)」?といった漠然とした答えが返ってきてしまうのが現実である。

長くなってきたのでこのへんにするけど、
人事担当者の皆さんも学生のみなさんも、就職活動、採用活動というもののほとんどは「正社員」採用であり、
正社員とは「無期雇用」であり、雇用とは「労務を提供して賃金を得る」という契約形態であること、 でも無期雇用が必ずしも安定を意味するものではないこと、という「やっていることの本質」について考えてみてもらいたいと思っている。

その本質を追及することなく、エントリーシートとか、就活メイクとか、質問にどう答えようか、ということが議論されていることが多い、ということがどうやら僕がもやもやしている原因のようなのだ。

とはいえ、就活をがんばっている学生の皆さん、早く内定取れるといいね。(でも本当の苦労は社会に出てからなのだよ、ふ・ふ・ふ)

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