FOURNOTES

緊急提言!
ジョブ型雇用は“本当に導入すべき?”
検討する際に気をつけなければいけないこと
<第2回>

2020.07.03

いま再び注目を集めている「ジョブ型雇用」や「成果主義」は決して新しい考え方ではありませんが、これからの働き方を考える中では重要な要素です。 その実現のためにはジョブディスクリプション(職務記述書)が必要とされています。
しかし、ジョブディスクリプションの策定や運用には、様々な課題も想定されます。
「働き方」「雇用のあり方」「管理のあり方」「評価のあり方」「給与・処遇のあり方」といった「考え方」そのものをどこまで変えるのか、といったことをよく考える必要があります。
今回は代表西尾から、これからの時代の働き方や評価についてお伝えしていきます。

本当にジョブ型の導入なのか、考え方をしっかり持とう

「ジョブ型雇用」は、今の時代に有効な確かな施策ではあります。
ただし、この「やり方」の導入には、「考え方」を整理する必要があると前回お話ししました。
これまで、多くの企業が考え方の整理なしにやり方に走ってしまい、結果、考え方は歪み、やり方が崩壊するケースを何度も見てきました。バブル後の成果主義や職務主義の流行などがそれにあたります。
結局、人事制度は少しずつ変化してきましたが、大きな変革ははっきりいってなされてきませんでした。

ジョブ型の対極に挙げられるのが「メンバーシップ型」です。これは、人材育成に関する考え方の違いとも言えます。大まかに言うと、スペシャリスト育成か、ゼネラリスト育成かということです。
どちらを志向しますか?
(こういった議論は20年前にもありました。「手に職がないとダメだよね」と。しかしスペシャリティは陳腐化の恐れがあり、また、いざという時に他に転用できなくなってしまう問題もあります。これらを踏まえると、「すべてジョブ型」はいかがなものか、と思います。)

もう一つ、ジョブ型の対極にあるのが「年功序列」です。積みあがるものとしての「能力主義」と相性がよく、給与を下げる考え方を基本持ちません。ですから、場合によってはいまのパフォーマンスといまの年収が合わなくなっていきます。
能力があっても成果を出さなければダメだよね、という考え方が成果主義です。「ペイフォーパフォーマンス」という言葉も20年前によく聞きました。
ジョブ型は、基本成果主義と相性がよく、ジョブごとに定められた「成果」を上げなければ、そのジョブからはずれ、給与も落ちますよ、というものです。
こういった考え方を社内で統一し、しっかり持ち続けることができるでしょうか?

目的を改めて考えよう

「ジョブ型」を導入する場合、8階層10職種だと80通りのジョブディスクリプションの作成が必要です。100人いたら100通りのジョブディスクリプションが必要と言われるケースもあります。

しかし、そもそもなぜ「ジョブ型雇用」が必要と言われているのでしょうか。

「雇用」と言われていますが、雇用契約とはそもそも「労務を提供して賃金を得る契約」を指します。
「勤務時間・勤務場所が定められている」「会社には、人事権、指揮命令権がある」「労働者には、誠実勤務義務、職務専念義務がある」労働者性とは、そう定義されています。
(その他にも双方に権利や義務があります)

リモートワークと雇用契約が同時に存在することは、そもそも矛盾していると言えます。
労務の提供が見えない、勤務場所は指定できない、勤務時間も見えない。そのためここに来て、改めて「成果を見よう」「ジョブを明確にしよう」となっているのでしょう。

とすれば、「なぜ雇用契約なのか」という議論もあってしかるべきでしょう。
ロイヤリティや長期勤続、会社のためにどこにでも行く、いつでも取り組む。そういった姿勢を「雇用契約」という言葉に含むのであれば、それはジョブ型ではないでしょう。
「ジョブ型雇用」という言葉自体に矛盾があるとも言えるのです。

また、「成果を見よう」「ジョブを明確にしよう」とするだけならば、ジョブ型である必要もないでしょう。メンバーシップ型でもジョブ型でも、今年の(半年でも)ミッションと目標を社員各自が明確にすれば、リモートワークにおいても十分マネジメントできるはずなのです。
あとは、成果を上げたかどうかをどのように処遇に結び付けていくのか、になるだけです。

ただ、ここでも「考え方」をしっかり定義する必要があります。仕事のプロセスを細かくチェックしたいのか、目標を定めたらあとは社員の自主性に任せるのか。後者であれば、わざわざ仕事をしているか上司が確認する必要もなく、マウスが動いているか5分ごとにチェックするアプリも必要ありません。

つまり、「雇用契約である必要もない」ことになります。

なぜ雇用契約なのか、なぜジョブ型なのか?
「やり方」を検討する前に、自社の考え方をしっかり確認していただきたいと考えます。
これを私たちは、「人事ポリシー」と呼んでいます。いま、時代の変化に対して改めてこの人事ポリシーを再確認する時ではないでしょうか。

次回は、よりパフォーマンスを高める、自律的なジョブサイズ設定について考えてみます。

人事ポリシー

「いい人が採れない」
「社員が自ら成長してくれない」
「大切な人が辞めてしまう」
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多くの企業は「重要な人材」に限って辞めてしまうと嘆きます。
それは、当然のことです。「重要な人材」は優秀ですから、あなたの企業のある事に、一番最初に気が付きます。だから、辞めるのです。

評価基準

ー「なぜ、あの人が?」
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